鉄旅の好奇心

主に鉄道を中心とした乗り物の旅行ブログです。時にはマニアックな記事も書くかもしれません。しばらくは訪れた駅の記事を書いていきます。

北海道の廃線を歩く9~JR天北線 山軽駅~

2007年夏に北海道を旅しました。その時に昔走っていた鉄道の跡を随所で見ることができました。その跡を紹介していきます。北海道最北の宗谷岬を巡った後、天北線の跡を巡りました。

 JR天北線は北海道東北部、音威子府からオホーツク海沿いの浜頓別を経て最北の街稚内市南稚内までの148,9キロのローカル線でした。稚内までの鉄道路線としては一番古く、札幌と稚内をむすぶ急行「天北」も走る堂々とした路線でした。残念ながら平成元年(1989年)5月1日に廃止になってしまいました。

 この時、巡った天北線跡の最後の駅が山軽駅です。山軽の駅はいろいろ残っているという事なので楽しみにしていましたが、そこに行くまでが大変でした。オホーツクライン、国道238号線から小さな側道に入っていきます。だんだん道が細くなり、道の両側に草が生い茂ってきて道をふさぎ始めます。誰もいない状況で心ぼ遅くなる頃、こんな看板が。

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 さびて滲んでしまっていますが、汽車の画です。踏切ありの標識です。勇気100倍で進みます。少し行くと、線路跡のサイクリングロードとクロスしました。まだ進みます。

 駅前のロータリーへの進入路のような感じの十字路に発見し、入ってみると、つきあたりに駅名標のような看板の形と小屋が2件みえ、ここが駅であることを確信しました。

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 ここは浜頓別駅から稚内よりに1つ目の山軽駅の跡です。駅名標と待合室(の跡)が残っていました。

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 まずは駅名標

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 かろうじて「やまがる」の文字が読めますが、隣の駅は読めません。もっとも他の人のサイトの廃止直前の写真を見ても隣の駅は見えませんが…。

待合室は廃墟になっています。

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 本当はサイクリングロードの休憩所に転用されたのでしょうが、ほとんど人が来ないため、誰かにか、自然にか壊れてしまったものと思われます。人の手が入らなくなるとこうなってしまうんですね。乗降客がほとんどいなかったであろう駅でも、やはり列車が動いていて人の手が入るのは大事だと思いました。

駅はこんな感じで残っています。奥が稚内方面です。

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夏なので草が茂るのはやむを得ないのですが、人の影を見ないのは本当に残念です。

反対側浜頓別方面はこんな感じ。

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夏の午後、切ない時でした。

後で調べたところ、さっき通って来た道は国道238号線、オホーツクラインの旧道だそうで、昔の地図を見れば国道は山軽の駅付近だけ、内陸部に入り駅前を通っていたのでした。昔はそれだけ鉄道、駅の力があったのですね。この駅周辺はかつては開拓や木材輸送などで賑わっていたそうですが、昭和40年代から過疎化が進み、昭和44年に無人化され、昭和52年頃の航空写真には駅周辺は無人地帯だったようです。時代の流れというものを感じたのでした。